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契約書作成及び契約書チェックについて


様々な経済活動、営利活動において必要になってくる契約書の作成や契約書チェックには、当該事業分野の理解とともに法的知識も必要となってきます。
契約書チェック及び契約書作成に必要な法的知識と一言で言っても、広範囲にわたる法的知識が要求されます。
事業で用いる契約書は多様で、かつ契約は相手方に対応する必要があるので、本来はかなり専門性が高い性質があります。
もっとも、コストや人材等の点から、既存の契約書ひな型を利用していることが通常ではないでしょうか。

大多数の契約においては、各当事者が契約上の義務を履行し、契約の目的を達成して終了するため、契約書の不備が顕在化してこないといえるでしょう。また、不測の事態により契約の実現が阻まれることもあまりないため、契約に不備があってもそれなりに対応できていたりします。また契約から損害が生じても、それが契約書によって本来は防げていたか否かまたは損害が軽減できたいたか等の検証は、専門的知識が無いと無理でしょう。これもまた、契約書の作成や契約書チェックにあまり多くの労力が注がれない理由のひとつでもあります。

契約書には日本語が書いてあるゆえに、それほど理解が難しいとは思われてはいない面もあるのですが、契約書は文面の背後にある民法や商法等の法律だけでなく、裁判所の裁判例等によって、その意味が補充されているのです。その意味補充は契約書の作成で注意をすべきことでもあり、契約書のチェックでも重視すべきところです。

日本の契約書は欧米のそれに比べて網羅的ではありません。それは日本文化の話し合いで解決する、和をもって尊しとするという背景があるからに他ならず、我々の長所であります。

日本の契約書は網羅的ではないゆえに最後に「民法の例による」「誠実な話しあいで解決する」等の条項が付け加わっている場合も多いようです。
しかし、これは、無難なようで、当事者にとっては危険なことも多いのです。民法で解決するといわれても、民法の中身を理解することや、いざ紛争の時に民法のどの規定が、どのように適用されるか等は、なかなか会社の従業員では判断が困難です。
しかも、その判断は契約を締結する前にある程度やっておかないと、法の適用のされかたによっては、自己に不利な解決がはかられることになります。

この事前判断は契約書の文面を従業員が眺めても、なかなかできないことでしょう。法的処理の大部分が民法に従うとされる以上、民法を中心とした法体系(判例も含む)によって処理されるからです。つまり文面には書かれていないのです。莫大な専門的知識が契約書の背後に存在するといってよいでしょう。

そのため、社内で様々検討した契約書でも、紛争が生じたときなどは、防御しきれず、自己に不利な解決が最後まで気付かないうちに図られることも多いのです。

防御をするという視点からすると、契約書の作成はリスクマネジメントの一種と言えるでしょう。契約から損失が生じた場合の損害賠償等が莫大になったり、契約の内容実現のために多大な労務を要したりという事態を避けるために事前にある程度のリスク管理を見越して専門家の手を借りるという方策も考えるべきでしょう。

あらゆる契約には、法的リスクがあります。不測の震災が生じて契約実現を阻むリスク等、リスクをゼロにすることはできませんが、リスクを恐れて契約しないのでは営利活動はできません。しかし法的リスクもコントロールしリスクを低減することは、契約から事業活動を安全に展開し、利益を安定的に獲得するためには有効なのです。

そのリスクコントロールの視点から契約書の作成をすることをお勧めいたします。もちろん、社内スタッフで完結するのであれば、望ましいでしょうが、専門家に作成やレビューを委託することも、より慎重な契約書作成ひいては事業活動の安全を確保することにもつながります。

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